笹川能孝さんとSSA会員に期待すること (遠藤勝裕)
東日本大震災から3ケ月、直後の激しい揺れの恐怖に未曾有の津波被害と福島の原発事故という災厄も加わり、先行きに対する漠然とした不安感が広がっている。
しかしながら、こうした時だからこそ足許をしっかり見つめ、冷静に対処する頭を持たなくてはならない。とりわけ、次代を担うSSAの会員と若きリーダーである笹川能孝氏にそのことが求められよう。
具体的には、大地震により少しか霞がかかってしまったが、わが国経済・社会は、「4つの化」にしっかり対応すべき、と肝に銘じなくてはならないということである。すなわち、まずは「国際化」、これは単純に外国語を話せるように、ということのみではなく「国際的水平分業の進展」と捉えなくてはなるまい。わが国の若者たちの活躍の場は世界中にあり、逆に世界中の若者が競争相手になることである。
次に、「IT化」。これは間に「C」が入り「ICT化」と理解すべきこと。「C」はコミュニケーションのことであり、単純なIT対応ではなく、ITをコミュニケーション・ツールとして使いこなさなくてはなるまい。
3番目は、「少子高齢化」。これも単純に年金原資の稼ぎ手が少なくなる事態に、どう備えるか、ということのみではなく、先輩たちが築き上げた膨大なストックを少ない若者が分け合う安心感が、若者をスポイルしかねない、との視点も必要ということである。
そして最後は、「温暖化」への対応である。環境対策としてのCO2削減ニーズから、原発が最良のクリーンエネルギーと位置付けられてきたが、もはや幻想でしかないことが今般の騒ぎで明らかとなった。クリーンで安全な自然エネルギーへの転換を図っていくため、具体的に何をしなくてはならないのか、最も大きな課題であろう。
さて、この「4つの化」への対応にあたりSSA会員の皆さんに「6つのキーワード」をお贈りしたい。
1 民間活力(官にばかり頼るな)
2 全員参加(当事者意識を持つこと)
3 宝の活用(持ち腐れとなっていないか)
4 イエスからの出発(ノーからは何も生まれない)
5 論より行動(評論家の戒め)
6 よそ者の知恵(岡目八目)
今後折に触れSSA会員の皆さんと、これらのキーワードに内在する「心」についてお話していきたい。